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禁煙外来~禁煙したい方の背中を押したい~

禁煙に手遅れはありません

長年タバコを吸ってきた人には「今さら禁煙しても遅い」と考えている人が多くいますが、決してそのような事はありません。禁煙を実行すると、1年で脳梗塞または虚血性心疾患による死亡率が半減し、15年禁煙を続けるとタバコを吸わない人と同レベルに達するといわれています。つまり、禁煙に手遅れはないのです。
喫煙はメタボリックシンドロームとは独立した心血管病やガンの最も強い危険因子です。特に喫煙者では、タバコの有害物質に直接暴露される消化器や呼吸器に喉頭ガン、食道ガン、胃ガンや肺ガンなどが非常に発生しやすくなります。喫煙者には痩せている人が多いのですが、痩せた喫煙者が肺ガンになる危険性は太った喫煙者の10倍以上という報告もあります。
患者さんに喫煙のことをたずねると、「私は、酒もタバコもやりません」という返事がよく返ってきます。つまり、一般の方々の多くは、酒とタバコが同等の健康を害する嗜好品とみなしています。この認識は改めなければなりません。

毎日適量のアルコール(缶ビール1~2本、ワイングラス1~2杯、日本酒1合)であれば、全く飲まない人よりもむしろ心臓や血管の病気に罹りにくいという科学的なデータが存在します。これに対して喫煙に関しては、タバコ何本までなら大丈夫という科学的なデータは存在しません。タバコは本数と喫煙期間に比例して心筋梗塞、脳卒中やガンの危険性を増加させるのです。たとえば日本人女性が心筋梗塞になる危険因子のトップは喫煙で、タバコを吸う人は吸わない人より八倍も危険性が増すことが熊本大学などの研究グループによる調査で明らかになっています。男性でもタバコを吸う人の心筋梗塞になる危険性が4倍高く、喫煙は高血圧に次ぐ危険因子であることがわかっています。喫煙が心筋梗塞の危険因子になるのは、タバコに含まれる有害な化学物質が血管内皮細胞を傷害して、血管の垢、すなわちアテローム性プラーク(粥腫)が貯まりやすくなるからです。

喫煙は心血管病やガンの危険性を増加させるだけでなく、肺気腫や慢性気管支炎など慢性閉塞性肺疾患の最も重要な危険因子です。慢性閉塞性肺疾患のほとんどは喫煙(受動喫煙を含む)がきっかけとなって肺胞の破壊や気道の炎症を招き、緩徐ですが不可逆的に進行します。真綿で首を絞められるような呼吸困難が続き、発症後数年~十数年で呼吸不全を起こし、死に至ります。呼吸不全になる前に肺ガンや肺炎で命を落とすことも稀ではありません。ヘビースモーカーの患者さんに痩せている人が多いのは、酸素を取り込む力が不足してエネルギー消費が増え、食欲の低下などによるエネルギー摂取量が減少して栄養障害を起こしやすいからです。したがって、喫煙者では痩せていることが生活習慣病の免罪符にはなりません。痩せていても心臓血管病に罹りやすいのです。

放射能汚染は常に深刻な社会問題を引き起こします。これは、放射能が目に見えず、知らぬ間に人体に侵入して健康被害をもたらすからです。では、タバコはどうでしょうか。実はその恐ろしさはわずかな放射能汚染の比ではありません。タバコの煙から発生するタール、ニコチン、一酸化炭素やシアン化水素は血管収縮、血液凝固、動脈硬化、発ガンを招く有害物質です。こういった有毒ガスは、ご本人のみならず、大切な周りの人々の健康にも甚大な悪影響を及ぼします。非喫煙者が受動喫煙で吸い込む副流煙に含まれる有害物質の量は、喫煙者が吸い込む煙よりも多いのです。2006年に公表された「米国公衆衛生総監報告」においても、受動喫煙による健康への影響が次のように報告されています。(1)受動喫煙によって冠動脈心疾患のリスクが25~30%増加する、(2)喫煙者との同居に伴う受動喫煙が原因で肺ガンのリスクが20~30%増加する、(3)受動喫煙と乳幼児突然死症候群の間には関係がある、(4)親の喫煙による受動喫煙と、幼児および子供における下気道疾患との間には関係がある、(5)親の喫煙と、中耳炎や慢性滲出性中耳炎の間には関係がある、というものです。また、アメリカ癌協会が調査したところによると、喫煙による死者は世界で毎年600万人、それによる経済損失は毎年5,000億ドル(約47兆円)にも達するそうです。

タバコと覚醒剤は同程度の依存性があるといわれています。一般に、薬物に対する摂取欲求の程度を「精神依存性」といい、禁断症状(退薬症候)の程度を「身体依存性」と定義しますが、「ニコチン依存」に特徴的な症状は中等度の精神依存性や微弱な身体依存性です。そのような依存性からあまり苦痛を感じることなく抜け出せるのが禁煙治療です。ニコチン依存症の患者様はこの機会に是非、禁煙治療をお受けになる事をお勧めします。
枚方市周辺で禁煙をご希望の患者様はぜひご相談ください。

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